きのこ栽培とは、きのこ菌を培養して増殖させ、きのこが出来た時に採集できることです。
栄養素がたっぷりでかつおいしいきのこを家庭で簡単に栽培できないか、試してみました。
お得で新鮮なきのこが食べられるのでぜひ参考にしてみてください。
本記事では「そもそもきのこ栽培とは」から説明し実際に発見したきのこの栽培する方法についてお伝えしていきます。
前回書いた「きのこを趣味にする」の記事はこちら。ここからだいぶ進化したなぁとおもいます。
管理人自身「あれ、これいけるんじゃないか…」と思ってやってみたら実際にできたので感動しました。
きのこ栽培とは
そもそもいつから日本人がきのこを食べていたかを調べてみたところ、縄文時代から密接な関わりがあったことが分かりました。
日本人ときのこの関わりを示すもっとも古い証拠が残っているのは縄文時代です。今から約4千年前の縄文時代の遺跡から、様々な形をしたきのこ(子実体)の土器が発見されているのです。
きのこラボ より引用
現在、きのこを栽培する方法は菌床栽培と原木栽培の大きく分けて二つあります。
菌床栽培:栄養素をたっぷり含めたおがくずと添加剤を丸めて固めたものに菌を植え付ける方法。工場で大量に生産する方法として活用されています。
原木栽培:栄養があまりないため菌が繁殖しづらい木にきのこの菌を打ち込み、きのこ菌が独占した状態の木から生えてくるきのこを頂く方法です。
原木栽培では木を倒して、丁度よい形にカットして、そこに種菌を植えて、一年以上日陰に置いておくことでようやくキノコが生えてきます。
長い年月をかけてゆっくりと成長するためその分肉厚で美味しいきのこが育ちます。
本記事で紹介するのは、菌床栽培方式です。
余談ですが、菌床栽培方式を利用している地元のシイタケ農家さんを訪ねたことがあります。
年中シイタケを出荷できる環境を大規模に整えるため、他の設備等も含めて2億円程借金したと聞きました。
「お前も何かをするにはそれくらい借金しなきゃいかん」と言われましたが到底そこまではできないなぁ…と思いながらも、「へ、へぇ」とペコペコして話を聞いていました。
スーパーで売られているきのこを安く作るために、農家さんの果敢な挑戦が裏にあることをぜひ知っておいてください。
きのこを日常的に食べるメリットについて
栄養たっぷりのきのこ。ここではそんなきのこを日常的に食べることで得られるメリットについて説明していきます。
メリット① 癌になりにくい体質になる
きのこを食べていると、癌になりにくくなるという説はすでに立証されているようです。
安く,おいしく食べられるスーパーや八百屋でお馴染みの食用きのこにも,食べるだけで意外に高い制癌効果が期待できます。
茨城県 雑学講座 より引用
けっこう過激な実験をして確かめられていて、発がん物質を与え続けたネズミにの飼料に、きのこを混ぜたものと混ぜなかったもので違いを確かめるとかやっていました。
メリット② 栄養素がたくさん摂れる
全体的には、ビタミン、カリウムやリンなどのミネラルに富みます。
キノコに含まれる栄養成分は種類によって違いますが、ビタミンDやビタミンBのビタミン類、カリウムやリン等のミネラル類が含まれています。ビタミンは人間に必要不可欠な栄養素。リンは骨や歯の材料に、カリウムはナトリウムを体外に排出する働きがあります。低カロリーで高栄養食品。
総合南東北病院HP より引用
栄養についての詳細はぜひきのこ業界最大手のホクトさんのサイトをご確認ください。おしゃれなグラフが見ていて楽しいです。
メリット③ 食物繊維たっぷりで腸を活性化⁉ 「腸活」の主役級の食べ物
また、きのこは最近話題の「腸活」でも一役買っているようです。
菌100%の「キノコ」は最高の「腸活食材」
秋の味覚「キノコ」なら、腸内の善玉菌を増やすために必要な「食物繊維」もたっぷりと含まれています。
今話題となっている「アダムスキー式腸活法」でも、キノコは「栄養の宝庫」と絶賛され、免疫システムのバランスを整える効果があるとして、アダムスキー博士が「おすすめ食材」の1つに挙げています。
きのこを日常的に食べることで、体の免疫力を上げることが出来そうです。
ではお待たせしました、次の章から具体的な家庭でできる具体的にきのこの栽培方法についてお伝えしていきます。
きのこを自宅で栽培する方法:四大アイテムについて
きのこを栽培するために準備するものがあります。それが下記の四つです。
- おがくず
- こめぬか
- 強力粉
- 種菌
後はお水があれば結論かき混ぜれば完成します。作るのは簡単です。以下順に説明します。
【おがくず】
生のおがくずですが、アマゾンだときのこ栽培用に2800円で売られていました。
それを購入するのが一番普通なんですが、おがくずの定義を振り返ってみると、デジタル大辞泉では下記の通りでした。
おが‐くず〔‐くづ〕【▽大×鋸×屑】
デジタル大辞泉 より引用
鋸で木材を引いた時に出る木屑…。ということは製材所に行けばわんさか落ちてることを推測できます。
そこで知り合いのつてをたどって、地元の森林組合の方と知り合い、薪を割る時に出る木屑を分けてもらうことが出来ました。
※木屑に広葉樹林の物と針葉樹林の物が混ざっているがきのこの生育に問題はないか?という質問を受けるかもしれません。 本当は突き詰めると、針葉樹林には忌避成分があるのであまりよくないらしいです。ただ、混合したものでも全然余裕で大丈夫でした。
【米ぬか】
アマゾンで15kg2370円で販売してます。
田舎なら、精米所で無料でもらってこれます。
都会ならお米屋さんとかいけば少量購入できるかもです。
米ぬかは菌のごちそうです。日本人でいうお寿司みたいな存在です。
【強力粉】
強力粉はすみません、無料で手に入れる方法を確立できていません。
小麦を小麦粉にする上で出る「ふすま」を廃棄しているお店はあるのか、もしくは小麦ではなくおからで代用できないか、そもそも強力粉を使用しなくてもできるのではないか…などと今後の研究テーマはたくさんありますが、現状は近くのスーパーで300円程で購入する必要があります。
ただ、少ししか使わないので、「ほぼ無料」ということにさせてください…。
【種菌】
実はクワガタなどの昆虫を大きくするのに、菌糸瓶というきのこの菌が詰まったものを与えることが流行っています。
そこから発想して、改良してきのこの栽培のやり方について色々調べてみて実践してみました。
色々調べてみたところ、下の「月夜野きのこ園」さんと、「やまのふもと」さんがコスパよさそうでした。
○月夜野きのこ園
※月夜野きのこ園さんは大ヒラタケ系。カワラタケという種類だと苦いきのこが出来るらしいので注意
↓アマゾンで配送料金とかの都合で一緒に購入したい!という方は下記より確認ください。
○やまのふもと
※やまのふもとさんはヒラタケ菌を培養されています。。口コミでとても丁寧と書かれていた+安かったので、やまのふもとさんのところで購入してみました。
菌糸ブロック +配送料で計1200円くらいかかります。
昆虫用で大丈夫か…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろ人間用にきのこを製造されていたところが昆虫用の菌糸瓶も始められているケースが多く見受けられます。
そういった、製造工場では通常の環境では他の菌に負けてしまうか弱いきのこの菌を増やすために、厳重に殺菌しているので、とても清潔だとも言えます。
※夏場は昆虫市場の繁忙期ということもあって菌糸ブロックが完売していることもありますので気を付けましょう。
自宅できのこを栽培する方法:当日編
さて、前章で紹介した四大アイテム①おがくず、②こめぬか、③強力粉、④種菌がそろったらいよいよ当日の準備となります。
当日必要なものは、下記の通りです。
- おがくず 100g
- こめぬか 2g
- 強力粉 8g
- 種菌 100g (おがくずと同じくらいの比率がうまくいくとされています)
- アルコール消毒用のスプレー
- 計量器
- 使い捨てポリ手袋
- キッチンペーパー
- 輪ゴム
- カッターナイフ(種菌の周りをそぎ落とすため)
- 箱×2 (スーパーでもらえる発泡スチロール系の箱 耐水性があって作業ができるなら何でも可)
- 菌を詰めるモノ(私は2LのCCレモンのペットボトルを半分に切って使いました)
- タッパー等(ブロック状の種菌たくさんあるので、100gじゃ使い切れません。余った種菌はタッパーで保存しておけばまた利用できます)
手順を説明します。上のように文字化するとややこしいですが、結局やることは、殺菌して混ぜて、詰めるだけです!!
やってみての感想ですが、想像以上に種菌がたくさんあるので、それだけ詰めていっても余ってしまう程量があります。
やるときは大人数で試してみた方がよいかもしれません。
手順1. 殺菌する
・おがくず100gとこめぬか2gと強力粉8gをレンジ対応可能な容器に入れて、混ぜます。
ラップをして、500wで5分程加熱します。これで、だいたいの雑菌は殺菌できます。
その間にアルコールスプレーで使用する箱や道具を殺菌します。
手順2. 混ぜる
レンジで加熱している間に、種菌の周りの白い部分を削ぎ取ります。
周りの白い部分は空気と触れているため、雑菌が潜んでいる可能性があるためです。
ただ、普通に使えることもあるので失敗する余裕を持って、削いだものを保管して別の機会に使用してみるのはありです。
先ほどの加熱が完了したものをレンジから取り出し、そのままでは熱すぎるため、ラップをかけたまま少し放置して冷まします。
少し置いたら、箱に加熱したものを出して、種菌も併せます。
ポリ手袋をして、混ぜてください。
そこに水を加えていきます。水加減はだいたい手でぎゅっと握って固まり、触ると崩れるくらいがよいとされています。
手順3. 詰める
混ぜたものを用意したもの(私の場合はCCレモンのペットボトル。三ツ矢サイダーのペットボトルもあり)に詰めてください。
結構ぎゅうぎゅうに上から押しながら詰めていきます。
詰め終わったら上からキッチンペーパーを一応二重くらいにしてわごむで固定して、完成です!
自宅できのこを栽培する方法:きのこができるまで
後は、冷暗所に置いて一ヶ月半くらいひたすら待ちます。
うまくいくと真っ白になります。
とてもきれいです。
自宅できのこを栽培する方法 実際に検証した結果
ほんとうは前述のように1ヶ月半ほどでできる想定でしたが、待てど暮らせど出てきません。
白い菌床になったまま、ずっと待っていたのですが、たまに除いても変化がない状態が続きます。
そこで、作成した一つは捨ててしまう前に、ちょっと水をかぶせて外に放置してみようと思いました。
すると、にょきにょきとキノコが生えてきました。ただ、適当にほっぽらかしていたので、ナメクジとかが湧いて「汚っ!」ってなりました。これが10月上旬ごろだったと思います。
この教訓をもとに、室内の冷暗所に保管していたものを水をかぶせて、室外の冷暗所に保管していたら…
だいたい1ヶ月くらいできのこが生えてきていました。
この記事を書き始めたのが、4月上旬で、実際に食べられそうなキノコが出たのが、12月下旬。
種菌がちゃんと育っていればヒラタケだと思います。
まとめ
本記事では、家庭で簡単にきのこを栽培する方法についてお伝えしてきました。
正直、きのこ業界の誰もここまで業界知識を明らかにしている人がいないため、もしかしたら数年後全身きのこが生えた状態で青木ヶ原樹海で発見されているかもしれません。
ただ、廃棄されるものを活用するので、SDGSとか大げさなことをあえて言うとしたら、ゼロエミッション(廃棄物を無くす)・アップサイクル(今あるものを利用して別の用途のものに作り替え、付加価値を与えること)に貢献できる仕組みです。
味は、オリーブオイルで炒めて、醤油を付けたらエリンギよりジューシーな味がしてめっちゃおいしかったです!
ただ、鍋などに入れると、ふにゃりとした触感がちょっと気持ち悪くてあんまりでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
参考文献
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