田舎道なら、どこでも生えている雑草こと野草。
そういえば日常的に野草を食べられれば、食物繊維取れるしけっこうお得だなぁとおもい色々調べて、地元で野草食べようワークショップやってみたら意外と反響が良い結果となりました。
本記事は調べた食べられる野草についてお伝えしていきます。
野草とは
何かしら耳にしたことがある「雑草という草はない」という言葉があります。
野草を調べてみると、下記のような意味でした。そのまんまでした。
野草についての知識があると、食べられる草はないか、と思ってあぜ道を見ると、意外と食べられるものが多くて、なんだか得した気分になります。
結論の感想としては、食えるか食えないかと言ったら、食えるものが多い。ただ、おいしさで言ったら野菜や山菜の方が美味しい、とだと持論は落ち着きました。
春のこの時期が若葉が多く食べやすい草も多いです。
私の信条に、大阪奇食倶楽部の代表の方が話していた、
「ごぼうを食べるには、水にさらしてあくを落として食べると美味しいとわかった。どんな食べ物でもその食べ物に適した方法で下処理をすれば美味しく食べられる」というものがあります。
今後は、現代の進んだ調理方法を使って、より美味しく野草を食べる手段を模索していくのは楽しいなと感じています。
野草のメリット
野草といっても結局植物なので、野菜と似たような栄養があると考えることができます。
緑色の葉なら葉緑素が含まれていますし、普通に茎があれば食物繊維が含まれています。
下記のサイトでは、その他にもデトックス効果、腸内環境の改善、高血圧の予防、ダイエット効果、美容効果、冷え性、貧血予防に効くと記載がありました。
本当かな、と思ってよく読むとすべての分に「~が期待されます」や「~と言われています」と書いてあるので、おそらく類推なのでしょうか。
普通の野菜であればそれなりの研究機関が栄養素を調べているのに比較すると、野草はそこまで研究されていないようです。
いろんな論文を見ることができる国立国会図書館デジタルサーチでも、
キーワード「野菜 栄養素」で1020件サーチできるのに比べて
キーワード「野草 栄養素」ではわずか42件しかヒットしません。
ただ、そのわずかな中に「ギシギシの葉の栄養素」について調べている方がいて、
野草のギシギシは,一般には食用とされていないが,その栄養素成分は栽培野菜よりはるかに多く,また,味覚的にも優れていることが知られた。
とギシギシの有用性について説く論文があって非常に興味をそそられました。
ギシギシは小学生のころ帰り道に生えているのを茎ごと折り、取って食べていました。
おいしくはないけれど、微妙な酸っぱさがなんとなく手を伸ばしてしまう、そんな印象でした。
それにしても、栽培野菜より栄養素も味覚も優れている、と評価をだすのは既存勢力にだいぶ挑戦的で感銘を受けます。
でも、よく考えると栽培野菜は蝶よ花よと大事に育てられてようやく育つのに、
野草は自身の力のみで育ちますから、確かに栄養素はありそうです。
厳しい自然環境の中で選抜された野草を食べる、と考えるととっても貴重な、体によさそうな気がしてきました。
コスパ最強、手軽
田舎であれば野草はその辺に生えているため、タダで手に入ります。
他人の私有地には入ってはいけませんが、自分で畑を持っている場合、雑草としてはびこるので、
ほぼ無限に湧いてきます。野草取りは草取りしながら、その日の夕食もゲットできる一石二鳥な手段になりえます。
いくらでも食べられる
野草はあまり食べる人がいないため、ビジネス用語でいうブルーオーシャンです。採集場所さえ確保できれば、いくらでも手に入ります。
あなたが野草を食べよう、と思った瞬間に、ライバルはヤギや鹿になります。
根っこごと食べなければ、雨が降り二週間もすればまた生えてきます。
食物繊維が豊富
最初の説明に被りますが、腸活オタクとしては、ここは外せないポイントです。
詳細は下記記事を参照いただければと思いますが、今までの科学では食物繊維は
人間に吸収されない、ただ流れていくだけのもの、ととらえらえていました。
ところが最近は、口から入って→胃→小腸と、消化されずに入ってきたものが、大腸にいる数兆の菌のご飯になることがわかってきました。

大腸は人間の幸福ホルモン「セロトニン」のもとになる「トリプトファン」が吸収されるところで、
何かしら食物繊維は幸福に影響してくると管理人は考えています。
野草のデメリット
野草を食べることは管理人が考えるに、いろんなデメリットがあります。
そんなにおいしくない
野草は食べられることの驚きは大きいものの、めちゃくちゃおいしいかといわれると、果たしてそうではないな、と思うレベルだと思います。おいしい調理法で食べればいいかもしれません。ただ、おいしい調理法がわかれば野菜として昇格すると思います。
だからこそ、野菜のありがたみが分かる
野草の噛み締めるとほんのりと楽しませてくれる草味と比較すると、やっぱり野菜は味がしっかりとしていて、ちゃんと主張してくれる存在であったことがわかります。
野草を食べることで、野菜のありがたみがわかる、これはデメリットというより、メリットかもしれません。
犬の小便がかかっている可能性がある
道端の野草は犬が小便をかけている可能性があります。
普通に汚いので、気を付けてください。
ただ、有機野菜も堆肥を使っていたら何かしらの糞をもとに成長しているので、あんまり気にしないほうがいいかもしれません。
取るのがめんどくさいし、持って帰るのもめんどくさい、下処理もする必要がある。
最適採餌理論というものがあります。
最適採餌理論 (さいてきさいじりろん、英語: Optimal foraging theory、OFT) は生物の食物探索行動を予測する際に用いられる行動生態学における最適化モデルである。生物は食物を食べることによってエネルギーを得るが、同時に食物の探索や捕獲にはエネルギーや時間がかかる。生物は自身の適応度を最大化させるような採餌戦略を採用していると考えられる。すなわち、より少ないコストでより多い利益(エネルギー)を得る採餌戦略を採用していると考えられる。OFTは、このような生物の適応的な行動を説明するモデルである。
注意点:毒のある野草に要注意!!
毒のある草もあるので安全とわかっているものしか手を出さない。
毒のある草はけっこうそこらへんにあります。調べてみると、身近なものが多くびっくりしました。
危ないです。
毒セリ
セリっぽいので注意してください。
見分け方は、東京都健康安全研究センターが詳しく説明してくれていました。
セリとドクゼリの見分け方
セリは春先の摘み草の頃は、草丈10〜15㎝位で、花期でもせいぜい30㎝程度です。 ドクゼリは芽だしから大きく、長い葉柄が目立ち、花期には1mに達します。 セリは葉に特有の香りがあります。 ドクゼリの根元をよくみると、たけのこ状の太い地下茎があります。
東京都健康安全研究センター より引用
トリカブト
かなりの猛毒でアイヌが矢じりに使っていたやつ。
怖い。

ソテツ
学校の校庭やプール脇に生えているイメージですが、有毒でした。
ただ、戦時下は解毒して主に沖縄のほうでそのたんぱく質を食べていたそうで、食べられないことはないそう。
ただ、ちゃんと処理しないと中毒症状が出るので注意とのこと。

ヒガンバナ
昨年のアニメ「リコリス・リコイル」で、ヒガンバナを口にくわえているイラストが話題になりました。
特に球根が毒が強いらしいです。ただ、それも何度も水にさらせば食べられるとのこと。
昔の人のあくなき探求心に驚嘆するばかりです。

アサガオ
その種がめちゃくちゃ強力な下剤になるっぽいです。
昔、薬として日本に来たとのことなので、使用量は適当にすれば、浄化作用が見込めそうです。
現在でも薬として利用されているようです。
小学生の観察日記をつけさせるのよくOK出たなと思いました。
うちの郷土料理に登録されている野草たち
うちの郷土料理とは下記のような意味です。
平成25年12月、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食;日本人の伝統的な食文化」。現在では、”海外における日本食レストンランの増加”や”訪日外国人観光客からの郷土料理を食べることへの期待”など、世界からも和食は注目されています。
一方で、食の多様化や家庭環境の変化が進む中、国内での和食文化の保護・継承が課題となっています。
そうしたなか、農林水産省では、第4次食育推進基本計画(令和3年3月食育推進会議決定)を踏まえ、ユネスコ無形文化遺産に登録された和食文化を次世代に継承していくため、様々な活動を行っています。
その活動の一環として、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」の特徴である、全国各地で受け継がれてきた地域固有の多様な食文化を地域ぐるみで次世代に継承していくことを目的に、令和元年に「うちの郷土料理~次世代に伝えたい大切な味~」を開設しました。
農林水産省「うちの郷土料理とは」より引用
昔から、野草は郷土料理として一般的に食されていたものも少なくないようです。
ここでは、その一端を少し紹介します。
いたどり
昔、「いきなり黄金伝説」でボビーオロゴンがこの草を食べて、スポーツドリンクの味がする、と言っていたことを強烈に覚えています。ただ、それから何度かイタドリっぽい草を食べていますが、全然スポーツドリンクの味に近いものと出会ったことがなく、おそらく私はまだイタドリを食すことができていません。いつか、イタドリを食べて、スポーツドリンク風味と出会う日を楽しみにしております。
いたどりはやっぱりおいしいのか、いろんな地区で食べられていることが調べているとわかりました。
年中保存できる方法が確立されているのも激アツなポイントです。
いたどりの煮物(奈良)
ごんぱちの油いため(和歌山)
ふきのとう
ふきはメジャー野草ですね。葉っぱは普通の野草って感じがしますが、ふきのとうは、春の訪れって感じが個人的にします。
うこぎ
他、食べられる野草
この章は随時更新していきたいところです。
スイバ
小学生のころ、ギシギシかスイバかよくわかってませんでしたが、その独特な酸っぱさと青臭さを暇つぶしにとって味わいながらよく帰ってました。
天ぷらにしたら意外と好評だったやつです。
味もそれなりにするので、準野菜として認めてもいいかもしれません。
ギシギシ
スイバに似た見た目で、葉っぱがギザギザなのがギシギシらしい。
先ほど挙げた論文では、野菜よりうまいと太鼓判を押されたやつ。
もっと食べ方研究していこうと思います。
カラスノエンドウ
畑を放置するとそこら中に生えてきます。
マメ科なので普通に食べれました。
天ぷらにしたら可もなく不可もなくという感じです。
食べれることを楽しみましょう。
ヨモギ
一旦肉巻きにして食べてみましたが、激苦で飲み込むのが苦痛になるレベルでした。
ただ、香りはとても良いので、香りづけ程度に一緒に焼いて、捨てる感じにしたら風味がついてちょうどおいしくなりました。
よもぎ団子はよくヨモギをおいしく食べる方法を思いついたなぁと感心します。
チチコグサ

こちらも肉巻きにして食べてみたところ、可もなく不可もなくという感じでした。
食物繊維感が強く口の中に繊維が残りますが、めちゃくちゃ苦い、とかいうわけでもないのであってもなくてもどちらでもよい、という感じでした。
栄養を取るには食べてもいいかもしれませんが、そこまで食べようという動機付けも起きない感じでした。
桑の葉
おかいこさんの餌である桑の葉。結構里山に行くと見かけます。
こちらは野草炒めと、肉巻きにして食べてみました。
結果、色がとても緑できれいでよいのですが、特に味に特徴があるわけでもないので、しいて食べる必要がないなと思わせる味でした。
ただ、桑の葉茶などの活用方法があったり、青汁とかもあった気がします。畢竟、体にはよいようで、調理方法次第では現代でも愛されているようですね。
アザミ
花を肉巻きにして食べてみたところ、つぼみの部分が硬くてなかなか食べられませんでした。
ただ、花の箇所からなにやら味が染み出したのを感じました。
ただそれよりもつぼみの部分のイメージが強い草でした。
とげも生えているので、とるのがちょっと大変です。
みょうが
ちょっと山のほうに行くとたまに生えているみょうが。いわずと知れた食べれるやつなので、味噌をつけて食らいましょう。
日本人にはなじみの春の七草
だいたい小学生の時に暗記させられた春の七草。「せりなずな ごぎょうはこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ春の七草」ですね
1月7日の、元旦で疲労困憊の胃に優しい七草がゆが効きます。ということで挙げられている7種の草はすべて食べられます。
秋のななくさ
ハギ、オバナ(ススキ)、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、アサガオ(現在の朝顔ではなくキキョウだと言われています)は、秋の花の代表として親しまれてきたもの。春の七草のように粥にして食するといったものではなく、目で見て楽しみます。
でも民間薬や漢方薬として、古くから使われているのだとか。例えば、ススキの根には解熱や利尿作用、ナデシコはむくみや高血圧に、フジバカマはお風呂に入れるとかゆみをとる、ハギやキキョウの根には咳止めなど、色んな効果があるんだそうです。特にクズから作る葛根(かっこん)は、風邪薬としても有名ですね。
食育大辞典 より引用
ただ、葛は花も天ぷらで食べれるって聞いたことありますけどね。
と思って各種調べてみたらけっこうまた衝撃的な情報が多かったので、下記記載します。
ハギ
萩の種はひっつき虫として嫌悪していたやつでした。
これがよく名前に挙がる萩だったなんて…とまず衝撃でした。
また、萩の種はすりつぶして粟に混ぜて蒸かし、食べていたようです。これがどうやらかの「おはぎ」の由来だそうで…衝撃です。
↓参考URL

キキョウ
キキョウも調べたら食べられました。基本的花、葉、茎すべて食べられるっぽいです。すごいです。

フジバカマ
今は環境の変化でめっぽう見なくなった野草で、環境省からは準絶滅危惧種とされているようです。
フジバカマは、何千キロも飛ぶアサギマダラの飛来先として、田舎ではおじいさんおばあさんが大切に育てている印象があります。
残念ながら食べられないようで、(下記URLに食べてみた人の感想が載っています。)入浴剤やにおい消しとしては利用されているようです。
オミナエシ
オミナエシも食用としてはあまり向かず、生薬として名をはせているようです。

ススキ(オバナ)
ススキの天ぷらとして食べられると、クックパッドに挙がっていました。
ただ、ほかの記事では食えたもんじゃないという辛辣な言葉が投げかけられていたものもありました。
大手のアウトドア雑誌のBE-PALさんからは
ススキお茶の記事がありました。これは試してみたい…!

この記事書いていたMIKIさんってどんな人なんだろうと思って調べたら野草園というところを開かれている方でした…。すごそう。というか、この記事はここの団体に入ってもう少し情報の深みを追求したほうがいいかもしれません。
ナデシコ
なでしこは調べてみても特に食べられているような形跡はなかったです。
ただ、エディブルフラワーとして似たような種類の花が食べられているようなのでひょっとしたら食べられるかもしれません。今度見つけたら試してみようと思います。
(他参考URL)

まとめ
本記事では、つらつらと野草に関することを書いてきました。
そもそも野草とは、から始まり、野草を食べるメリットデメリット、注意事項をお伝えしたのち、
地方で伝わっている食用の野草のレシピ、春の七草や秋の七草を通して野草について調べてみました。
皆様が野草に手を出す一助になれば幸いです。
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